ギャラリー

ご 挨 拶

はじめまして、「不及子」当主の八木でございます。

この家は、明治初期に建てられ、長らく我が家の暮らしと共に歩んできた場所です。

歳月を重ねた柱や器たちには、目には見えない記憶や、手の温もりのようなものが宿っているように思います。

私たちが暮らす愛知県常滑市は、日本六古窯のひとつとして数えられ、

平安の昔より焼き物の町として栄えてまいりました。

産業としての製陶は時代と共に姿を変えましたが、

古より受け継がれてきた技術や精神は、今も多くの陶芸作家によって守られています。

この家に暮らし、製陶業を営んでいた祖父・八木虎雄も、

そうした流れのなかで器をつくり、美を見つめてきたひとりでした。

ギャラリーの名「不及子(ふきゅうし)」は、虎雄の雅号から名付けたものです。

私自身、古いものに触れるたび、それを遺そうとした誰かのまなざしに、心を動かされてきました。

「不及子」は、そうした想いを受け継ぎながら、ただ懐かしむのではなく、

古きものの中にある“これから”の美を、皆さまと静かに分かち合える場所にしたいと考えております。

どうぞ、この空間で過ごすひとときが、

忘れていた感覚や、やさしい時間を呼び起こすものでありますように。


常滑文化振興合同会社 八木 良太

八木虎雄 昭和5年 常滑にて丸五商店設立時の記念撮影

八木虎雄 大正9年 CA名古屋商業高校卒業アルバムより

左から) 妻きよ・卓久娘朝子・ 長男八木卓久・八木虎雄の4人でのスナップ